ことばと文化

テーブルクロスと道中

「思いやり」から「アイロニー」となった表現

Скатертью дорога!
(スカーテェるチィユ ダろーガ!)
「道中お気をつけて!」

家に遊びに来た友人やお客さんが帰るときに言うフレーズ。
本来は,お客さんがテーブルクロスの上を歩くことで,でこぼこ道でも無事に家路にたどり着きますように,という思いやりの意味で使われていたロシア語の表現です。テーブルクロスを渡すのは,家の主人がその人のために,道を平らにしてあげることができないから,「せめてテーブルクロスを使ってくださいね」という理由から持ってこられたのだとか。優しい・・・♡

しかし,現在ではそのような温かい意味合いは全くありません。
相手を思いやるこの優しい表現は,現在では次のように使われます。

「とっとと失せろ!」

あの頃の思いはどこへやら。二度と顔など見たくない,消えろ,といった意味で使われています。丁寧で優しい意味合いであったがために,皮肉として用いられるようになったのです。

せっかくなので,その他の「とっとと失せろ」な表現をほんのちょっぴりご紹介します。くれぐれも喧嘩にならないように*

Вон отсюда!
(ボン アトュシューダ!)
<単語の意味>
вон:ほら,отсюда:ここから

Пошел ты!
(パショール ティ!)
<単語の意味>
пошел:идти「〜へ行く」の過去形男性形,ты:きみ,おまえ

Убирайся!
(ウビらイシヤ!)
<単語の意味>
убраться-убираться:立ち去る
※Убирайся!(ウビらイシヤ!)は「きみ」を主語とした場合
※Убирайтесь!(ウビらイチェシ!)は「あなた」を主語とした場合

まだまだ「ここから出て行け」シリーズの表現はあるのですが,今回はこのへんにしておきましょう。
上記の表現は,直接的な「出て行け」の表現です。
«Скатертью дорога!»は,本来,相手への思いやりの意味だったんですね。

ことばは生きていて,その表現は無限にあります。
ことばの背景にある文化や歴史をみると面白いですよね☘







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30代,ロシア語と英語を勉強中。 小さなこころみを重ねて進めていきます☘ ウラル大学,モスクワ言語大学に留学していました。

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